とても簡単ではない気持ち

とある経緯で、この1年ほどかけて作ってきたサービスを閉じることになった。ネガティブな経緯ではなくて、買収先の会社が作っているプラットフォーム上に、これまで作ってきたコンテンツを乗せ換える。その結果、今使っているサービスを閉じることになるので、うまくいってないのでクローズになったというよりも、サイトのリニューアルに近い。

その会社のサービスは、東南アジアを中心にユーザーに認められて感謝される声を聞き(火山難民のコミュニティでコインを握りしめてインターネットカフェで勉強するとか、「はい今から○○○○(サ-ビス名)やりまーす。」せーのでみんなスマホ出して勉強する近未来的な授業を見られるとか)、ベンチャーで本当にゼロからユーザーを増やしてきているわけで、ギークなエンジニアを多数抱えた会社と一緒に今後進めていけることは素直にありがたい話だし、より拡大を図るためにサービスを移管することは、ビジネスパーソンとして喜ぶべきことに違いない。


ただ。


「自分が心血注いで作ってきたサービスを閉塞するとはどういうことなのか。」


買収された側の会社の人たちの気持ちはわからないし、おそらく僕以上に色々な思いを抱えておられる人もいるのだと思うけども、それでも、あえて自分の気持ちを正直にいうと、とても簡単ではない気持ち、である。多分あの日この話を聞いて、オフィスを出て、住んでいるマンションに向かって歩いたそのときのことを忘れることは、たぶんないだろうと思う。決して反対ではない、むしろ大絶賛なのに、どっかにふっと何かが残る。この気持ちを「わかる」って頼むから言わないでほしい、そんな気持ち。もっともそんなの自分だけかもしれないけど。

でもそんなにすべてのことを納得してから前に進むなんてことはないし、なんというか、いろんな門を叩いたとき、自然にあるべきところに物事は帰着する。10年後に「あのときそうしなくてもよかったんじゃないの」と言うことはあるかもしれないが、「そうしなかったときにどんな障壁があったか」は誰も知るよしもない。

だから進むべきところに進む。だけど、多分この「簡単ではない気持ち」はとても大切なのだろう。それがあるからきっとサービスを作り出すのに貢献できるのだと思うし、それを知っているからこそ、これからもそういう人たちとともに働くつもりだ。


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@こないだ行った湘南の海