デパートの匂い

デパートの匂いってあると思う。

それが、おとなの人の香水なのか、ブランド物の纏う香りなのか、そういうのを抑えつけようとする消臭の聞いた空調なのか、普段入る事の無い、何か特別な高尚な雰囲気の香りなのか。それを判別できるだけの素養は僕にはないけど、たぶん、ごっちゃになってる香りだと思う。

今日、ふとデパートに足を踏み入れて、そのデパートの匂いを久々に感じて、なんか、なんというか、妙に懐かしい気持ちになってすっと心が安らいでく自分がいた気がしました。



小1の頃に通ってた学習塾の近くには、高島屋っていうデパートがあったのですが、塾が終わった後、却ってきたテストの点数がよかったりすると、親が、高島屋の中に入ってる喫茶店で何かおやつ的な何かを食べさせてくれたり、6Fだったか7Fのデパートのおもちゃ屋に連れてってくれたり、そんなことあったなあと。


両親共働きだったこともあって、ふだん僕が学校から家に帰っても親が待ってる的な状況はなくて、夜や休みの日も基本的には仕事をしていたので、小学校の頃自分が遊んでもらった記憶は本当になかった気がします。加えて塾に行くことや勉強すること自体も全く好きでもなんでもなく、ただ通わされてるだけの生活はもう苦痛でしかなくて、「なんで勉強なんかせなあかんねん」ってしょっちゅう思っているような小学生でした。かわいくない(笑) とはいえ小1の自分には発言権も決定権もあるはずもなく、毎週土曜日、学校が終わると、親によって僕は車に乗せられ強制的に四条にある塾まで送り届けられてたわけであります。

でも、所詮は6歳7歳の子供なわけで、嫌いな勉強であっても、成績がよくて親に褒めてもらえたり、デパートに連れて行ってもらえる時間というのは、親がかまってくれる、ほっとできる優しい時間だったに違いないわけで、僕の当時の記憶の中で親とのそうした時間というのは、親が僕の手をひいてデパートを歩きながら、テストの結果を褒めてくれる時間とかであったり、喫茶店やおもちゃ屋で一緒に過ごしてくれる時間であったりと、そんな風な時間が、僕にとって親の温かみというか温もりを感じられる時だったんだろうなと思うわけです。





たぶん、そうした記憶が、デパートの匂いと共に自分に沁みこんでるんだろうと。そんな記憶を久々に思い起こせた、いい日曜の夕暮れでした。

また明日から、頑張ります。



Million Films(コブクロ)

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